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1-8 最悪のタイミング

ผู้เขียน: 結城 芙由奈
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-09-20 11:08:19

沙月は宝石店の前に立っていた。

深く息を吸い込んだのち、中へと足を踏み入れると、笑顔で店員が近づいてきた。

「いらっしゃいませ。ご用件をお伺いします」

「……あの、この店では指輪の買取って、できますか?」

「はい、出来ますよ」

そこで沙月はそっとリングケースを取り出し、店員に差し出す。

「これ……査定していただけますか」

店員はうなずいた。

「はい。ただ少々お時間をいただきますが」

「今日中に処分したいんです」

沙月の声は焦りが滲んでいた。何故なら手元で今、お金に替えられるものは、この結婚指輪しかないからだ。

「かしこまりました。それではお預かりいたします」

店員が指輪を持って鑑定に行こうとしたその時。背後から、沙月の背筋が凍りつくような声が響いた。

「この指輪、とても綺麗ね。……私に売ったらどう?」

沙月の身体がびくりと固まり、恐る恐る振り返った瞬間……顔が青ざめる。

何故なら朝霧澪が、店の入口に立っていたからだ。

高そうなワンピース、煌めくダイヤのピアス、ブランド物の香水の香り。

その存在そのものがこう言っているようだった。

「ほらね、ここにふさわしいのは私」

と――

澪はサングラスを外し、沙月を切り裂く刃のような完璧な笑みを浮かべる。

「やだ、誰かと思えば……あなた沙月さん? びっくりしたわ。そんな格好してるから、てっきりお金を借りに来た人かと思っちゃった」

沙月は指先で皮膚が破れそうなほど力を込めて掌を握りしめる。

(どうして……このタイミングで……現れるの……?)

澪の視線が指輪に落ちた瞬間、その目が冷たく、毒のような光を帯びる。

「これ、あなたの結婚指輪? 売るくらいなら……」

獲物を前にした捕食者のように、澪は一歩近づいた。

「私に売れば?」

その声音は、まるで「食べ物代を恵んであげる」と言わんばかりだった。

沙月の身体が震える。

けれど……。

「……売りません」

澪の笑みが強張る。

「は? 私の申し出を断るの? 家も金もなくて追い出される寸前なのに、何様のつもり?」

沙月はゆっくり顔を上げた。声は弱くとも、その芯は揺らがない。

「指輪は売ってもいい……でも、あなたには売らない」

「……っ!」

澪の顔がみるみる歪む。

「馬鹿なじゃないの!? 司が愛してるのは最初から私! 奪ったのは、あんたのほうでしょ!」

「……そうよ」

沙月の声は静かだった。

「だからこそ、この指輪だけは……絶対、あなたに渡さない」

澪の瞳が怒りに燃える。

「金も、家族も、味方もいないくせに! その指輪だって本来、あんたが着けるものじゃないのよ! 司が戻ってくるとでも思っているの? 今の司は――」

「あ、あの。お客様方……」

店員が怯えた声で割り込む。

「どうか、お店の中での口論は……」

そこへ自動ドアが開いた。

「い、いらっしゃいませ……!」

店員の声に沙月と澪は同時に動きを止め、ゆっくりと振り向く。

次の瞬間。

その場の空気が一瞬で凍り付いた。

入口に立っていたのは天野司。

彼の背後から冷たい外気が吹き込み、店全体の温度が一気に下がる。

そして彼の視線は、澪には一切向かない。

真っ直ぐ、まるで射抜くように沙月の胸に抱えた指輪ケースへと落ちた――

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ความคิดเห็น (1)
goodnovel comment avatar
輪島富美
みんな宝石店に集結しすぎ...
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